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12.142019
【コラム】原田泰治さん50年前の愛車
原田泰治美術館の受付ロビーには、真っ赤な車が置かれています。その姿に驚かれるお客様も少なくありません。
この車は、原田泰治さんが50年前に実際に乗っていた愛車・トヨタS800です。
昭和43年[1968]、原田泰治さんはグラフィックデザイナーとして諏訪に小さなデザインスタジオを立ち上げます。
しかし、当時の地方にはデザインの仕事がなく、苦しい生活が続きました。
そんな原田さんを応援しようと実家の方々が購入してくれたのが、この車です。
足が不自由な原田さんのために、自動車工場の方がオートバイのハンドルを加工して、手動ブレーキを考案しました。
障害者用の車など無い時代、照りつける暑い夏の日も、凍てつく吹雪の冬の日も、
一度の故障もなく原田さんの足となって走り続けました。
数々の思い出と深い感謝から、50年間手放すことはありませんでした。
現在もピカピカの姿で、原田泰治美術館のお客様をお迎えしてくれているのです。